村野健の日記

必要だと思った事だけ書いていきます。

最近は、本を読む事が趣味なので、時間があれば本を読んでいます。本を読む時間としては、「朝起きてから20分くらい」「ソファで休んでいる時30分くらい」「夜寝る前に1~2時間くらい」など、日によって違うのですが、「長い時だと5時間くらい」読んでいる時もあります。

 

最近は、やっと文学の人の心の変化をとらえられるようになってきました。主人公がある朝突然虫に変わってしまうカフカの変身などは、衝撃を受けた作品のひとつです。

 

彼は、虫に姿が変わってしまった事が「理由」で「仕事に行けない」状態になっており、そこで「大きく揺れ動いている」ザムザの心情には、心打たれるものがありました。

 

私も、朝、仕事に行く前に、今日は休みたい、という思いが湧いてくることがあるのですが、基本的には、そのまま「仕事」に行く事ができます。しかし、ザムザは虫になっているので「行きたくても行けない」状態であり、その思いは切実です。彼は、「助けて」の一言も言えず、どうにもなりません。

 

これは、彼の社会に対する引きこもり願望や拒否感、社会と上手くなじめない性質が虫になるという形で表れたのかとも思ったのですが、そのあたりに作者はどのような意図を込めたのか、私にはわかりませんでした。

 

しかし、ある日、自分が虫に変わるという事は、「地震」に襲われる時以上の衝撃でしょうし、自分がそのようになった時のことを考えると、少し怖い思いがしました。

 

この小説でも、読んでいる時は、なんらかの形で彼を「助けてほしい」と思ったのですが、最終的に彼は死んでしまいます。しかし、個人的には、救いのない物語よりはハッピーエンドの物語が好きです。そのような事もあり、この小説を読んだ後は、いたたまれない気持ちになりました。そして、少年漫画のように、最後は必ずハッピーエンドになる物語こそ、本当にいい物語だと思いました。